新報エッセー

新報エッセー 島尻芳一さん

今年の3月まで長男夫婦はフランスのパリに6年間在住していた。その間、長男夫婦宅を訪ね通算で約90日間滞在した。フランスの面積は、約55万平方㌔㍍、人口6600万人、平野は国土の70%を占める。農村地帯を移動する車窓から眺めると、畑や牧草地が地平線まで続く緑豊かな農業大国である。この地平線の風景は、ずばりヨーロッパ大陸なのだ。フランスを初めて訪ねたのは2014年6月だった。このフランスの滞在90日間の観光と生活エピソードの一端を綴りたいと思う。

さて、パリの「シャンゼリゼ大通り」は世界で最も美しい大通りだと言われる。長さ3000㍍、幅70㍍の大通りは緩やかな勾配を持つマロニエ並木道である。世界中から毎日多くの観光客で大通りは賑わいを見せる。大通りには1899年創業の老舗カフェフーケッツがある。テラス席から、ゆったりと「凱旋門」を眺めることができる。滞在観光はツアー観光と違い時間を気にせず、散歩気分でシャンゼリゼ大通りの観光ができる。カフェテラスは特等席で、大通りを行き交う人々や車の流れの眺めは、さながら映画シーンのような光景で至福の時でもある。

また、このテラス席からは、居ながらにして「凱旋門」を眺めることができる。カフェ店によっては、テーブルごとに担当店員が決まっている場合がある。また、レストランは、テーブルが違うと同じメニューでも値段が違う場合がある。シャンゼリゼ大通りには、ルイヴィトン本店やディオール、グッチ、プッチ、シャネル等の世界的有名ブランド店が軒を連ねている。お土産のチョコレートやワイン等は品質が確かなお店で買うことにした。特にチョコの甘味は品質のグレードで全く違う。免税店で買うブランド品の免税手続きは、面倒だが品質は保証されるから安心だ。

次に、1979年にユネスコの世界遺産に登録されたモンサンミッシェルは幻想的な姿である。パリから約350㌔㍍、島全体が巨大な修道院で15㍍の激しい干満差がある。海上に浮かぶ周囲900㍍、海抜80㍍の巡礼の小さな島である。世界中から年間約300万人の観光客が訪れる。宮古島市の大神島はこのモンサンミッシェルを彷彿させる。大神島は海抜74・4㍍あり、年間3万人の観光客が訪れる。島の面積や形が類似し海上に浮かぶ神秘的な「信仰の聖地」でもある。

ところで、フランス滞在生活は、ツアー観光とは違い地元で生活することで思いがけない新鮮な発見と得難い体験をした。フランスのパリも宮古のパリも「畑」違いではあるが魅力が尽きないことだ。フランス語の「ボンジュール」は、「こんにちは」の挨拶で初対面の方にも自然体で使う。この手軽な挨拶は、生活に密着し人間関係の基盤(コミュニケーション)を形成している。挨拶のお返しがないと怪しい人物と見られがちだ。フランス旅行の折は「ボンジュール」には「ボンジュール」でお返ししたいものだ。観光の魅力が尽きないフランスは、人口6600万人に年間9000万人の観光客が訪れる「世界に開放」された観光立国なのだ。

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