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認識深め、平和誓う 市民ら伊良部地区戦跡巡り

宮古島市総合博物館(館長)の平和展「戦中の宮古~造られた3つの飛行場」関連行事「伊良部地区の戦跡巡り」が23日、伊良部島内で行われた。高校生から一般まで市民20人が参加し、市教育委員会生涯学習振興課文化財係の久貝弥嗣さんらの案内で牧山陣地壕など5カ所を巡り、伊良部島の戦争遺跡について認識を深め、平和への誓いを新たにしていた。

このうち宮古高校2年の荷川取縄斗君は「塾のみんなで参加することにした」と説明しながら、「戦争のことを身近に感じられた。陣地壕などを人の手で整備するのは大変だったと思う。戦争のことについて触れる機会が少ないので、こういう体験を通して理解を深めていきたい」と意欲を見せていた。
この日は、久貝さんと森谷大介さんを講師に▽牧山陣地壕▽伊良部の忠魂碑▽根原御嶽の陣地壕群▽佐和田・長浜の住民避難壕▽白鳥浜の陣地壕│を巡った。
牧山陣地壕は、牧山公園内の遊歩道沿いから東方面に全長72㍍えぐり貫かれ佐良浜断層崖の崖面に開口している。入り口は幅約2・4㍍、高さ約1・7㍍で反対側の出口は幅1・1㍍、高さ1・2㍍。壕内の幅や天井の高さは一定でなく、床面はほぼ平坦で壁の成形は出口部分を除いて雑になっている。「砲兵隊が陣地を構え、伊良部島と宮古島間(平良港)を襲撃する敵に備えるため陣地壕を設置。しかし終戦までに完成せず砲台を据えて実際に砲撃することはなかった」「周辺の地形から自然壕を形成する場所ではなく、また壕内で再石灰化が進んでいる部分が見られないことから、地下壕でよく見られる自然壕に手を加えたものではなく、一から石灰岩を掘り込んだ壕であると思われる」などとされている。

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